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愛

古来より、様々な分野のエキスパートたちが研究と解析を行ってきたが、
依然、現代科学の前に立ちふさがる「神秘」そのものである。

電気信号や化学作用がもたらす、
人間の脳内で観測される感情パターンの一種であり、
その中でも、とくに強い反応を示すものとされている。

かつて、適合係数の低さゆえに
LiNKERをもってしても容易にシンフォギアを纏えなかった天羽 奏を装者と仕立てた要因のひとつに、
「奴らを鏖せるのならッ！」と言わしめた、父と母と妹を殺したノイズに対する「憎しみ」がある。

このように、人間の脳が分泌する化学物質や炸裂する電気信号は、
強力なものになると時としてLiNKERと同様の効果を発揮し、
「愛」もまた、奇跡に匹敵する尋常では成し得ない結果をもたらすことがある。

立花 響を失いたくないと希う小日向 未来の想いは、
ウェル博士に利用され、歪められた結果、
神獣鏡（シェンショウジン）のシンフォギアを彼女の身に纏わせてしまう。

尊く美しいものと、優しい人は詩的に形容する「愛」であるが、
三か月前のルナアタックの遠因でもあったように、
人類に、そして世界に対して幾度となく牙をむいてきた経緯がある。