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用語解説

複合構造船体

星間航行船であるフロンティアの特徴のひとつに、
各部が独立機能したブロックであり、それらが複合的に組み合わさることで
ひとつの巨大な構造体として成立している点がある。

利点として、用途に合わせた機能拡張がしやすいのと、
ブロック単位での切り離しが容易であるため、
長期に渡る航行中に発生するトラブルに対しても、外科手術的な即応が可能なところがあげられる。

フロンティアのエネルギー制御にあたっていたナスターシャは、
その過程で、ルナアタックによって一部機能不全となった月遺跡を再起動させ、
もう一度、公転軌道上にアジャストする月落下対策を発見する。

マリアの歌を基点に世界各地から集束し、
フロンティアから衛星軌道上に照射することで月遺跡の再起動を見込んでいたのだが、
状況は思うように進展せず、そこに事態を知ったウェル博士が無理やり介入。

フォニックゲインの照射中であるにも関わらず、
エネルギー制御室は強制分離され、宇宙に向かって射ち出されてしまう。

耐Gへの充分な準備も対処もないままに
大気圏を一瞬突破するだけの推力で射出されたエネルギー制御室には、
すさまじいばかりの加速度が圧し掛かり、
如何な巨大遺跡フロンティアの一部ブロックであっても半壊以上の被害は免れない。

複合構造体の内包する、
一体成型の構造体と比較して耐久性が脆弱という欠点が、
生身(かつ重篤な)ナスターシャの生存を絶望的なものとするのであった。